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横浜南共済病院OT室(理佐子の部屋)
4.効果と評価
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本当にあった怖い話の通り伸びなくなった指。
これが、このスプリントによって伸びやすくなり、
コップをしっかり持って口元まで運べるようになったり、
頭が掻けるようにようになりました。
また、なぜか、数日つけて手を使っていたら スプリントを外しても、
不思議な事に、指が伸びやすい状態がつづいていました。

私のOTを担当して下さっている中西さんの解説によると、
もともとアテトーゼで、筋肉の緊張のバランスが不安定なところに、
頚椎症によって筋力が部分的に低下し、さらに筋肉を働かせにくい状況になった。
そこに弱った筋肉の力を助ける機能を持ったスプリントを装着することで、
それまで使い難い状況になり動きにくくなっていた指が、再び動けるようになった。
さらに、その状況を一定期間保つことで、再び動くようになった筋肉は、
その活躍する機会が一気に増加する事で、筋力訓練の効果が得られること、
また、その動きやすい状況での、数種の筋肉同士のバランスが改善し、装具をはずしても、
その動きが出やすい状況が維持されているのではないか、との事でした。

手術後、右手の筋力や感覚障害の状況は変わりました。
筋力は回復し、手指はスプリントに頼らなくても、伸びやすくなりました。
むしろ、前出のスプリントはつけていると、かえって邪魔という程度に筋力が回復したのです。

しかしながら、中指を中心に、完全に伸ばすことはできず・・・
この中指から手関節にかけてMP関節というところを
伸展位に保つ事で手指が伸びやすくなる新しいスプリントに作り直して頂きました。
結果、
指先が伸びやすいので、物を持ちやすい、指先が物に触れることで、
物との距離感を測れるようになりました。

ドラたまスプリント2は、これから長い付き合いになりそうなので、
「だったら耐久性の良いものを」と、OTの中西さんと相談して、
病院に入っている装具屋さん(湘南義肢)に作製してもらうことになりました。
なお、ちなみに今まで使っていた中西さん作製の装具は原価500円で出来ました。
装具は使ってみて、ホントに使いやすい物を使う事が大事だと思います。

再度、頚椎症手術を体験した私が感じる事は、まずCPの二次障害は術後、進行はくい止められますが、
その後もアテトーゼとつきあって、日常生活をしていくので、
いずれまた、頚椎症の諸症状にさいなまされる事も少なからずあるということです。
中には私のように再手術する方もいらっしゃると思います。

  • 手術による痛みの緩和等

  • そして術後のリハビリで筋力回復を図る事と平行し、
    必要であれば、失われた機能を補足する装具(スプリント)作成

  • また、頚椎症手術後に痛みが再発してきた時にはボトックスで、緊張緩和し、
    バランスをとりやすくし、障害の進行を遅くする
この三本柱が症状によって必要であるように思います。

私自身、7月14日からわずか三ヶ月の間に、かなり手の能力の低下がおきたので、
脳性まひ者で、筋力低下がおきて不安を感じられる方は、
ドクターの所に早めに行く事を、お勧めします。白い神経は怖いですよ。
白くて細い神経にならないうちに、専門医の所に治療に行って下さい。

ただ、ここだけの話ですが、何回やっても、二度とやりたくないと思う苦しいオペですよ。
眠剤はくれないし、緊張で眠れないし、・・・つらいですよ。
ICUのダクトの音を拾って、『じょんがら節』や『チャンチキおけさ』に聞こえてしまったり、
ICU最後の4日目の朝は、素晴らしいサウンドの宮川泰アレンジの『宇宙戦鑑ヤマト』風の
歌が聞こえてきたので、看護婦さんに「素敵なBGMですね。」と言ったところ
「何もかけてないわよ。」と言われ、初めてそれらが幻聴だったという事に気づきました。
譜面(スコア)があったら、書きとめておいたのになぁと思います。

なお、2月3日。風邪と共に去りぬ・・。横浜南共済病院を。(退院しました。)

玉井  明  2006年1月21日  加筆  2006年2月8日

1.術前から術後までの経過
2.術後の指先
3.遂に完成! ドラたまスプリント2スペシャル!!
5.簡易上肢機能検査

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