夏のメモリー

ホンダ シティ カプリオレ
皆が出かけていったダイニング
    テーブルの上には食べ終った食器
  椅子に腰を下ろしておもわずため息
      サーバーに残ったコーヒーを
    カップにそそぎ、ホッとしている私
  琥珀色のゆげの向こうから流れてくる
      テレビドラマのなつかしいテーマソング
    他愛なく彼とドラマや映画の話をしたっけ
  白いカーテンの窓越しに
      黄色いトールボーイの小さなカプリオレ
    優しい潮風の排気音
  ふと、ドアが開き
      日焼けした彼が今、降りてりてくる気がした

    突然、心がドリフトしてタイムスリップ

  あの頃のようにあなたの車のサイドシートにいる私
      いつもあなたのナビゲーターだったけ
    海岸線の国道で急に激しいにわか雨 
  路肩に車を止め 二人ずぶ濡れになって
      キャンバスをルーフに掛け
  おもわず顔を見合わせて笑ってしまった
      白い夏の日
    若さに輝いていたあの頃 
  CAMEBACK '1986
      CAMEBACK '1986

いけない、そうだわ、もうお昼
    子供たちが帰ってくるわ

  別れはドラマのエンディングとは
      違っていたけれど
        潮風に包まれた夏の香りがすると
  あなたの笑顔を今でも思い出すわ
      白い夏のメモリー
  CAMEBACK '1986
      CAMEBACK '1986

'2004.4 by タマイ アキラ

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