君はパンデミック
赤道から南に11.7度  離れた低い太陽
長く伸びた影  透き通った風
乾いた街並みに  流行り風邪が舞い下りる
僕は微熱にぐらぐら  白い世界に迷い込む
ハスキーな声で  君が甘くささやく
全身  関節が痛むよ
君はパンデミック

赤道から南に11.7度  離れた低い太陽
ソーダ水をストローで  吹きかけたような悪寒
春夏秋冬をかけめぐり  また寒気を呼ぶ
僕は高熱にくらくら  砂漠の中に沈む
ハスキーな声で  君が呼んでいる
爆発  失神寸前さ
君はパンデミック

赤道から南に11.7度  離れた低い太陽
君が去るころ  太陽は北に向かい
赤道を越え  春らんまん
僕は解熱でぐるぐる  急に四次元頭痛
ハスキーな声で  君が叫んでいる
毛布にくるまり  お手上げさ
君はパンデミック

赤道から南に11.7度  離れた低い太陽
また戻って  赤道を越える     
どうせ地球は  23.4度の傾斜角
僕の視界はふらふら   薄紅 うすくれない に輝く   黄道 こうどう
ハスキーな声で  君が飛んでくる
氷のクレパスに  僕はぞくぞく
君はパンデミック

七変化の君  突然性格が変わる
でもなんとかなるさ
君はパンデミック

タミフルは  効かないかも知れない
でもなんとかなるさ
君はパンデミック

'2008.12.21  by タマイ アキラ

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