全国市町村障害者支援事業研修会in沖縄に参加して

全国市町村障害者支援事業研修会in沖縄に参加して

ILタイムズ第3号2002年3月25日発行       玉井  明
太陽   昨年の12月2日〜3日まで、沖縄県北谷町にて全国市町村障害者支援事業研修会が開催され、 80名を超える関係者が参加して行われました。

  一日目の全大会に引き続き夜はレセプションで全国各地の支援事業の職員が集まり情報交換をしました。 二日目は四つの分科会に分かれディスカッションを行い地域の立地条件によって問題が異なる事がわかりました。 例えば離島の交通アクセスの問題や雪国での車椅子の生活等私たちが日常の生活では考えられない報告もあり、考えさせられました。

  さて、話はちょっとずれるかもしれませんが、私にはすごく不思議に思った事があります。 私たちのやっているところの自立生活運動は1980年の始めアメリカのCIL(自立生活センター)のリーダ達がやってきて、 その影響を受け日本の自立生活運動が始まりました。という事はアメリカという国が先進的に当事者の専門家を養成し、 広く地域社会で暮らせるようなシステムを作ったはずです。当然ながら、沖縄は1970年に日本に返還される前は、 アメリカの統治に置かれていたので、そういったシステムもまた、アメリカンナイズされたシステムだと私自身は思っていました。 ところが、返還前は旧態とした日本風の福祉政策が取られ、本土復帰後の1970年以降は、思いやり予算と称し、大規模収容施設が 過疎地に作られ現在に至っています。これは変だ。絶対に変だ。どうして、アメリカの自立生活の流れが、沖縄に吹かなかったか。 私自身この事を考えると、気が重くなりますが、今の沖縄の現状も含めて、アメリカが統治する植民地化されていたのではないか。 沖縄は、青い空、エメラルド色の海、白い砂が温暖な気候で現実を包み隠している。そんな沖縄に憧れ、観光に来てしまう。 確かに観光は沖縄の経済を支えているでしょう。 しかし、その中に沖縄の琉球の人たちの明るく見せようとする悲哀を感じ取るべきだと思って帰途に着きました。

追記
  最近WOWOWで独立プロが作った『はだしのゲン』三部作を一挙に見ました。 複雑な差別構造が私なりに実感できました。なかでも、弱い者が更に弱い者を差別し排除しようとする、 人間が究極に追い詰められた姿を現していたのが印象的でした。 そんな状況下でも、ゲンが弱みを強みに変え生きていく姿はちょっと青い芝の会の運動に似ているような気がしてなりません。
  現代社会では、あのような露骨な差別はなく、もっともっと細分化されているため 差別とは実感できにくくなり、後になって差別だなと思う事もしばしばあります。 しかし、自分が差別されているという事を、実感できない社会を“共生の社会”と人は呼ぶのでしょうか・・・。
'2007.8.15

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