「脳性マヒ者の二次障害と労働について」

「脳性マヒ者の二次障害と労働について」

1998年 有料介護ステーションからの原稿依頼                玉井  明
ねこのカット  脳性マヒ者は30才から40才頃になると二次障害と呼ばれる症状が 出てきます。私たち神奈川県の脳性マヒ者についても、かなりの障害者が二次 障害者症状に悩んでいます。

 二次障害が出やすい人は、比較的軽度で労働や運動に携わっている人たちが 多いと思われます。この事は中高年の障害者または更生施設や療護施設に勤務 している、指導員、PTなども問題にしています。しかし地域訓練会や養護学 校に通う当事者及び、親、職員等は把握していないというのが現状です。症状 は下記のとおりです。

・時々腕のつけねがピクピクしたり、すり傷のようなピリピリとした痛みを感じる。
・手が自分の意志に反して動いてしまう。
・握力低下
・肩こり
・頭痛や心臓がドキドキしたりして循環器系の病気ではないかと思う症状が 出る。
・朝起きると首が痛い。
・上を向くと首が痛い。
・寝た姿勢で起き上がれなくなる。
・腕に力が入らなくなり、手が挙がらなくなる。
・足に力が入らなくなり、転びやすくなる。

 よって脳性マヒの就労の間題はかなり複雑だと考えます。就労時間、仕事内容 についても個々の障害の緊張の度合いによってもまちまちです。ただ一つ言え ることは脳性マヒにとって、書くという事、話すという事は、かなりエネルギ ーを消費することになります。したがって、個人の表現を代行して、誰かが実 務をこなす必要があり、その事によって脳性マヒ者の能カが最大隈に発揮でき ると思います。

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