脳性マヒ者と付き合うための8か条 |
ただむずかしいのは、一人一人言語障害のスタイルが違うので、じっくりつきあって、その人の特徴をつかんで下さい。
◎最後に
このことを理解して頂きたいのです。 なぜかといえば、基本的にこういった分析がなされないために、障害者・介助者・健常者 間でイザコザや誤解が頻繁に起きているからです。 例えば介助者が疲れてくると、自己決定権がなくなる立場に追い込まれたり、言語障害があるために、 赤ちゃん言葉で話しかけてこられたり等、苦難の連続です。 長い間、介助は善意やほどこしと捉えられてきましたが、それだけでは、 介助者と障害者の対等な関係が得られないと感じています。真に対等な関係を築くには上記のような 労働手段としての介助という経済学的な視点も必要だと私は思っています。
名目的には選挙権があったり、
雇用機会均等法や、まちのバリアフリーが叫ばれ、福祉サービスの選択者としての位置付けがされています。
しかし、実質的には、残念ながら私たちの意識の中には社会構造的に培われてきた差別意識が幽霊のごとく無意識に存在し、平等な市民権を阻んでいます。
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共生の社会 | ||
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| 名目的市民権 | 障害の事実 |
現代社会 |
記) 健全者社会の支配、抑圧を批判しつつも、結局のところ、障害者社会と健全者社会社会の共存を提起しているようである。しかも(・・・中略・・・)「障害」=「個性」論に立ち、「障害」と「健全」を並列化してしまっている。
健全者社会が、その生産主義、効率主義の中で、「障害者」を診断と判定を介してわざわざ作り出してきた事実に関する批判ないし反省はあり続けなくてよいのだろうか。(・・・中略・・・)
「個性」も「自立」も、健全者社会に包摂されつつ、(関係や状況を無視した)個人還元主義と「多様化」という名の分断に寄与していくと思われる。つまり「個人の自立」ということがテーマ化されているが、
それは、共同性や相互関係性を後退させつつ、「自力と競争」という健全者社会にとって都合の良い事態に加担していくことにならないか。それこそ、このことは、障害者のみに要請されていることではない。
現代社会に生きる誰に対しても、同様に期待されていることなのである。
※記)篠原睦治 和光大学 人間関係学部人間関係学科教授 『ピア・カウンセリングを考える』より |
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